クラフト メルクリンとミニチュア模型制作の専門店

写真18
(写真18/ローレライに立つ!海抜139,14m、ラインの水面から125m)
ローレライ観光センター(Rolerey Besucherszentrum)はとりあえず後に見学することにし、私はまずローレライの岩の上に立つべく、ふたたび山道を登り始めました。ローレライとはもともとライン川に突起した岩場のことを指しています。ここで大きく蛇行するラインはここで大きくうねり、幾多の舟人の命を飲み込んできました。いつからかこの場所には「ローレライ」の人魚伝説が生まれ、曰く、岩場に腰掛ける人魚が、金の櫛で金髪を梳りながら美しい声で歌を歌うとき、船人は舵を取るのも忘れてその歌に聞き惚れ、やがて船は激流に呑まれてしまうと...。
写真19
(写真19/ローレライからライン川を臨む)
さて、ここがそのローレライの岩の上。ライン水面からの高さと海抜を記したプレートが埋まっています(写真18)。舟で川下りをすると岩盤に「R o r e l e i」という看板が見えるのですが、その場所はこの真下なのですね。バスのお姉さんも言っていましたが、ローレライは言ってみれば単なる岩の突起ですから、目印をあちこちつけておかないと初めて来た人にはどこなのかよく分からんのですわ。されど、ローレライ、とりわけ文学に多くをもたらしたこの場所は、世界遺産に指定されています。ローレライ付近からライン川上流を臨むと、右手に「ネコ城」が見えます(写真19)。ネコという由来はこのお城の初期の城主がKatzenelnbogen家(Katzeはドイツ語でネコの意味)だったためだそうです。この城もナポレオンフランス軍の手によって爆破され、一時は完全に瓦解してしまいました。再建されたネコ城は現在なぜか日本人が所有し、現在はホテルとして使用されています。
写真20
(写真20/ユネスコの大きな文字が見えるローレライ観光センター)
写真21
(写真21/館内は水族館みたいだ)
ローレライ観光センターはローレライへの登り口にあります(写真20)。館内の壁面を使った展示では、小さなガラス張りのショーケースがたくさんあり、様々な色でライトアップされています(写真21)。ライトの色はローレライを特徴づけるテーマを表しており、例えば水色はローレライを形成する地形について、緑色はローレライ付近の生態系について、黄色はこのあたりでとれるワインの銘柄についてといった具合(写真22、23)。スタンプラリー式になっていて、一つのテーマを学習し終わると入城カードを同じく展示壁面の口に差し込み、レバーをおして「ぺたん!」とやります(写真24)。
写真22
(写真22/ローレライ付近にすむ動物たちの展示)
写真23
(写真23/ワインのエチケット、ローレライ付近はワインの産地でもある)
写真24
(写真24/スタンプラリーでローレライスタンプを集めちゃおう)
写真25
(写真25/ローレライの詩のパネル展示、詩は拡大鏡で大きくできる)
私の関心をひときわ惹いたのはこのローレライについて書かれた詩の展示でした(写真25、26)。いつか大学の授業でローレライ伝説とドイツの詩人ハインリヒハイネの「ローレライ」について聞いたことがあったからかなあ。パネル展示にあるドイツ語の詩は日本語でこんな風に訳されています。
なじかは知らねど こころわびて、
昔の伝説は そぞろ身にしむ。
寥しく暮れゆく ラインの流
入り日に山々 あかく映ゆる。
美し少女の巌頭に立ちて、
黄金の櫛とり 髪のみだれを、
梳きつつ口吟む 歌の声の、
神怪き魔力に 魂もまよう。
漕ぎゆく舟人 歌に憧れ、
岩根も見やらず あおげばやがて、
浪間に沈むる ひとも舟も
神怪き魔歌 謡うローレライ。
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