答えは「ハルシュタット」という地名の中に隠されています。「ハルhal」はケルト語で「塩」を意味します。その名のとおり、この町ははるか昔から塩の採れる町だったのです。そう思って地図をもう一度眺めなおすと、ハルシュタットのお隣は「ザルツブルク(der Salzはドイツ語で「塩」の意)」、ハルシュタットを含む一帯は「ザルツカンマーグート」と、塩に関連する地名が目白押しです。ちなみにケルト語のhalもドイツ語や英語のSalz、saltも語源は同じです。すべてこの世で自然に得られる塩はもともと海からの贈り物です。海水が蒸発を繰り返し塩分の濃度をあげながら、やがてミネラル塩の浅瀬や潟を形成します。ハルシュタットの山々は60%の岩塩を含み、この岩塩層は長さ2700メートル、奥行き670メートル、湖面からの高さは700メートルになります。この岩塩層は2億5000万年前に海の浅瀬や潟であったところが、その後何百万年もの地殻運動によって褶曲し、押し上げられできたものです。褶曲の様子が岩盤に走る模様からも分かります。岩塩の採石場まではロープウェイで行けるのですが、本日は復活祭連休にてロープウェイもお休み。しかも、曇り。採石場の上から滑って降りる滑り台に乗りたかったよー。
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