2011年8月6日

箱根のお話し

 

暑中お見舞申し上げます。

今月はいよいよ箱根・仙石原に引っ越しをいたします。かのオリエント急行のサロンカーがあることで有名な「ラリック美術館」からほど近い、緑がとても豊かで静かな場所です。

新しいアトリエは、ヨ-ロッパに多く見られる「木組みの家テイスト」で、間もなく完成します。

テイストって何?  はい、ちょっとご説明させていただきます。  

木組みの家は、建築用語で「ティンバーフレーム工法」と呼ばれ、ヨーロッパ発祥の木造建築工法です。柱や梁で頑丈な骨格を組み、その間を石やしっくいで壁を作ります。その際、骨組みをそのまま表に露出させることで、個性的な外観意匠になるのが特徴です。

ヨーロッパ型鉄道模型レイアウトでは、かかせないこの家に、私はずっとずっと憧れてきました。

とはいえ、本物の「ティンバーフレーム工法」は、構造の要となる「材」(=大木)が何本も必要で、さらに壁づくりなど。。。大きなコストがかるため、手も足も出すことはできませんでした。

元来、この工法は大木資源が豊富なヨーロッパの各土地で、数百年前から始められたと言われてます。それが現代では、ご当地ですら自然保護による資材不足で、修繕は行なえても、新築はかなり非現実的になっているようです。

どうしてもあきらめられず、ハウスメーカーの尽力のもと、いろいろ検討した結果、地震に強く、特に湿気の多いこの立地でも、なるべく長もちする素材を使った工法で「木組みの家テイスト」のアトリエを、ひとつのカタチにすることができました。長い道のりでした。。。

今日は早朝から現場に行き、屋根に上って。。。(左が私です)


足場が付いているうちにと、アイアン製の風見鶏を付けました。方位磁石に合わせて方角板アングルを固定、風で回る部分には蒸気機関車が乗っています。小さく見えますが全高は、1mちょっとあります。


1:1フルスクラッチの模型を作る感覚です。近々、ひとつの作品としてご紹介したいと思っています。

敷地内には数十メートルの樹木もあって周辺は林もいっぱいです。静かな中、鳥のさえずりや、都会ではなかなか聞けないヒグラシの合唱、それだけで創作意欲が湧いてきます。

大きなクロアゲハはあちこちに。。。


こちらは調べたら、ミヤマカラスアゲハですって。内羽のラピスラズリのように鮮やかなブルーに感激。水を飲みにきてくれました。


さらには雌キジが飛んできて、都会のドバトのように普通に歩いてるのにはビックリ。


で、驚きのあまり、腰を抜かしたのは、野生のこの子っ!!


写真こそ撮れませんでしたが、タヌキも見ました。近隣の方の話ではイノシシも出るそうです。

まるで動物園ができそうです。というより、私が動物園に参加させてもらう、そんな感覚です。

9月から、野生に還る私。。。であります(合掌)