私の母は手先が実に器用です。70歳を過ぎてもそれは健在で、写真を撮ってほしいと見せられた趣味のキルトワーク作品にギョッとびっくり。
旅行で訪れたコッツウォルズに実在する有名なデリシヨップをモチーフにキルトで再現したもの。あたり前だけどすべて布なんですね。近くで見るとこんな具合。
果実のテカり具合や長ネギの断面などには、細い刺繍糸を駆使して質感を高めている。それがほとんどすべてに。。。それぞれがリアルに盛り上がっていて思わず、もぎ取りたくなったり、臭いをかいでみたい衝動にかられます。賛美するわけではありませんが、ひとしきりの感心とともに、ほっとするような温かさを感じました。
私が幼少の頃、母は特に絵画や工作には、いろいろアドバイスをしてくれました。そのお影で今の自分があるのかな。。。あらためて感じました。この作品は私がいただいちゃおうと思います(笑)
そんな母に対抗するわけではありませんが、私も負けてはいられません。秋の夜長、お客様からのご依頼で、こんなNスケール用パーツを作りました。
祭りで目にする「ぼんぼり」です。もちろん点灯します。光の拡散を重視するため、LEDを使いました。今後、ブラシアップとともに、4面には祭りの文字も入れる予定です。
お客様の要望は「とにかくリアルなサイズと照度にしてほしい」というもの。最近の鉄道模型をとりまく「ストラクチャーや光モノ」は精密な商品が目立ちますが、量産プラ成形品には技術的な限界があるため、多くはオーバースケールになっています。ご依頼主はこれがどうしても気になるとのことでした。
フィギュアとの対比はこんな具合、とても自然なコントラストです。支柱は直形約0.55mmの中空パイプを使用しています。実際のサイズでは直径8.3cm程度の支柱になりますからとても現実的です。これがお客様のこだわりの情景に、さらに命を吹き込むことになります。
試作とはいえ、細かい作業でしたが今宵は母に軍配あり。。。ですね(苦笑)