先日、欧州型で「ICE」同様、人気が高い「VT11.5(TEE)」のメンテナンスご依頼をいただきました。
モダンなスタイルもさることながら、今から55年も前にディーゼルエンジンとしては驚愕の140km/hを記録したことでも注目を浴びた列車です。
メルクリン製はあまりにも有名ですが、今回ご依頼いただいたのは、TRIX製HO・22100(4編成セット)。
この編成の特徴は、実機さながら前後の車両に個別にモーターが内蔵された2動力駆動式、編成全体で各々の信号を通電(カスケード)させているため、連結部の通電コネクタは大きなウィークポイントになっています。
通電コネクタはロック式で、カプラを兼ねており、コネクタピンは金メッキが施されています。ピンは約0.45φと細く、上下各5ピンの計10ピン構成。連結させる際に曲げたり折ったりすると致命傷になります。必ずストレートで、目視しながら、そ~っと。。。が鉄則です。
これがピン側です。
続いて、こちらは受け側です。
中間車を除き、動力同士を連結させると正常走行を確認できました。ピンの折れ等の外傷はないものの、トラブルは中間車が原因であることはあきらかでした。
1ピンずつすべてのピン間の通電チェック を行なったところ、写真の赤丸「緑線」の接点部分が腐食していました。何事もそうですが、原因が発見できると、ひとまずホッとします。。。
さらに分解して接点を研磨してパーツ交換をすることなくメンテナンスは完了しました。
弊社の直流2線式の走行テストは、ローラーテストスタンド(写真は6.5mmゲージ用)と、実走行用のエンドレスレールに「自動逆転器」を接続して行なっています。
一般的に「自動逆転器」はレイアウト上で往復運転させるためにセンサーを用いて逆転させますが、これはテスト専用設計のため、設定した走行時間のタイミングで自動逆転させる仕様になっています。
これらを使って、低速から高速まで段階的に前後走行を一定時間させることでメンテナンス後のコンディション確認をしています。
さて、今日のおしまいに近日公開の予告です。。。
すでに動画公開済の「電動開閉・安全扉」の第二段、「観音式扉」の試作が出来上がりました。
幅が大きくなりますが、扉が二枚になった分、やはり動きは面白いです。試作はシャレで作業員の旗が微妙に動きます(笑)
実はこのアイテム、その後「車両走行のフルオート仕様」に対応するインターフェースを開発済です。
システムを組み込んだレイアウトに、車両を走行させると「扉手前で車両が自動停止→パトランプ点灯とともに扉が自動オープン→車両通過後に扉が自動クローズ」といった具合です。
近日、動画でご紹介いたします!