7月27日のブログでご紹介したHOn3(10.5mmゲージ)特注制作でご提供したターンテーブル、お客様のN様から、とても有難いお便りをいただきましたのでご紹介いたします。
N様は1964年前後に日芸油彩科を卒業され、その後1996年にアメリカに渡米、現在はシンガポールに在住。仕事とお住まいの関係で、日本の鉄道模型イベントにはまったく足をお運びになれず、さらにシンガポールでは鉄道模型文化はなく、孤高?の鉄道模型愛好家との談。
昨日、いただいた作品の写真が素晴らしく、このブログでご紹介いただくご了解をいだきました。
ここで、少し脱線しますが「ナローゲージ」が詳しくない方のために、おさらいです…
ナロー(=狭い)ゲージとは、レール幅(=ゲージ)が狭い鉄道の総称で、軽便(けいべん)鉄道とも呼ばれているジャンルです。
ナローゲージは、私たちが日常使っている鉄道とは異なり、レール幅が狭い利点を活かし、クネクネした急カーブのレール敷設が可能で、かつては炭鉱や森林運搬の産業用トロッコ鉄道として昭和の高度経済成長期には、縁の下の力持ちとして全国各地でたくさん活躍していました。
自動車輸送の発展に伴い、現代では一部観光用を除きそれらほとんどが廃線になっていますが、今でも熱心なファンの心を掴んでいる背景には、狭いクネクネしたレールの面白さに加え、機関車も小型で個性的な車両が多かったこと、そしてすでに廃線となった哀愁の念もあるのです。。。
さて、本題。
こちらがN様の作品のワンシーンです。森林伐採のワンシーンがとてもリアルに再現されています。樹木のカラートーン、ボックスの中に構成されたレイアトは光の回りがとても綺麗です。かつての油絵ご専攻…納得です。
そしてこちらが現在制作中のレイアウトです。ナローレイアウトとしては大きく壮大です。
下の写真は製材所内。思わず切りクズを掃きたくなります。
それがN様の手によって…
こんな風に仕上げていただきました。うーん、素晴らしいですっ!
ターンテーブルだけでなく、車両も素晴らしい仕上がりです。以下、N様からのコメントです。(原文)
「これはもともと動力(モーター)なしの杉山模型さんの車両を動力化したもので、集電をアクリル板に左右の軸受けをネジ留めする事により絶縁、Nゲージと同様にブラシ、配線の無い構造です。 その結果、軽い車両(80g)にもかかわらずポイント部分も流れるように走行します。車輪のクリーニングも簡単で、ガラスクリーナーで洗い、元に戻し、押さえ板をネジ留めすればOK、ブラシの当たりを調節する必要はなく、何時も同じ調子で走ります」
とのこと。。。メカもさることながら車両のペイントテクニックも素晴らしい。
このターンテーブルが前出のレイアウト写真の右手前に設置されるわけですね~
最後にターンテーブルについて、とても嬉しいコメントもいただきました。(原文)
「何時も見事に定位置でテーブルが停止するのを見ていると飽きません。又、堅牢な作りも大変気に入っています。 私が機械物に求める事は何時も結果が同じでしかも長続きする事です。今後も素晴らしい製品の開発を期待しております」
身にしみるありがたいメッセージです。
「今日よりも明日、明日よりも…」
そういう気持ちでモノづくりと生涯、向き合っていきたいと思います。
N様、いや、先輩、どうもありがとうございましたっ!