春とはいえ、夜はまだまだストーブがかかせない箱根です。
パチパチ、メラメラ~、これだけで癒されます。温泉に入っているようです。
時間の合間をぬって薪棚にせっせと薪を溜め込んでいます。今シーズンはカフェでも焚くので梅雨前にはいっぱいにしておかねばなりません。小生、完全に森の爺と化しております。
余談はさておき 「ガーデンレイルウェイ・カフェ」工事進捗です。
本題の前に、そもそもの地盤工事の概略を。
元々この土地は、建物の地盤面(グランドライン=GL)からガーデンを構築する土地境界まで、約75cm下がっており、それが約36m先の後方境界線まで続いてました。
この状態でレイアウト(ガーデン)を構築していった場合、当然、雨水がレイアウトに流れ込み浸水してしまいます。
簡単に考えるなら「A」の部分だけを土盛りしてGLを合わせて排水路を検討すべきことろ、アイポイント(目線)を考慮して、さらに「B」を高めにかさ上げして全体の傾斜を見据えた池の配置とともに雨水升を数カ所に埋設して排水性を高めることになりました。
仮置きしたレールに置いた車輌とアイポイントの関係はこんな具合です。もうワクワクです!
今回のように比較的規模の大きな庭園鉄道工事は一般的な土木工事技術を持ってしても決して実現できるものではありません。
ここまで合理的な工事ができるのは前回紹介した「N氏」だからこそ。
N氏は実は模型分野にも精通しており、図面なくしてもイメージの中で構図をテキパキと組み立て、現場で臨機応変に対応していきます。
今までに運び入れた土は200トンを軽く越えています。
それでも、このレイアウトのメインになる後方の滝が流れる大山から尾根の形成のために、まだまだ必要になるよ…とN氏。
自分には一週間程度かかるかなと思えるような工事が、今までも数日で進捗していきます。その勢いは驚愕に値します。
今回の計画は、自分もN氏も初めての挑戦ですが、共通して言えるのは、まるで恐れていないこと。
ヤルと決めたらとことんヤル!
軌道勾配は3%以下。軌道下は木橋やレンガ橋を除いてすべて正確なレベルでコンクリート打設し、カーブにはカントがつけられます。(上写真はカントイメージ)
カーブはR5を多用しますが部分的にはR3も使用。R3でも十分大きいのに小さく見えます。
こちらは施工済のウッドデッキの脇からレール給電等のための保護管を埋設中。
機関車の操作は、独自開発した無線式(日本合法)になります。車輌(アナログ限定)を持ち込みいただければ、無改造で貸出しする送信機でそのまま無線操作がお楽しみいただけます。
とにかく手元に通常のコントローラーを置いたのでは機関車が見えなくなってしまいますから…
これで存分に機関車を追いかけ回していただきます(笑)
この仕組みはクラフトのエレクトロニクス部門の重鎮、I氏のアイデア。特許とりましょうと言ったところ、「この程度じゃ無理です」とI氏。ほんとうにかないません…
我々が目指すものは、庭園とミニチュア鉄道の共演=ガーデンレイルウェイ。
この土地に自生する植物をふんだんに植栽した庭に、
機関車が、川や池を渡り、山を登り、裏見滝を越える…
箱根の空気をいっぱい吸って、たくさん笑って、
都会の疲れを癒していただけるような、そんな場所…
長い石垣も自然石を人力積みしています。
それがクラフト流。
日に日にカタチになっていく現場で、我々には機関車を追いかける子供たちの歓声がより鮮明に聞こえるようになってきました。
よい子のみんな、待っててねっ!
次回は池の工事について。これがまた強烈ですから… 乞ご期待。